先日とある人から「やめた前任者が管理していたウェブマスターツールを取り戻したいんだけれどもどうしたら良いか?」という完全に業務範囲外だけれども無下には出来ないお悩み相談を頂きました。これが意外と解決するのに骨が折れました。よくありそう(?)なシチュエーションにもかかわらず調べて見ると情報がほぼなかったので、同じような状況に陥ったどなたかの役に立てばと思いメモを残します。
状況は以下。
- 該当ドメインのWebマスターツールは前任者が登録した
- 登録した前任者は既に退職済み
- ウェブマスターツール上で他に「所有者」はいない
- 依頼者自身は該当ドメインの「ユーザー」として登録されている
このような状態から依頼者を該当ドメインの所有者にするまでの軌跡です。私自身はGoogleウェブマスターツールとか専門ではないです(大人の事情で断れない依頼だったので頑張って解決しただけ……)。本職の人から言わせるともっとスマートな解決方法があるのかもしれませんがあしからずご容赦ください。
解決概要
解決概要は以下。
- 該当ドメインにユーザー登録されていない第3ユーザーを所有者登録
- 第3ユーザーが本命ユーザー(今回の依頼者)を所有者登録
- 所有者になった本命ユーザーが第3ユーザーの所有権を取り消し
この流れで解決していきます。
STEP0:該当ドメインにユーザー登録されている……
今回ハマった大きな原因は該当ドメインのユーザーに依頼者が既に登録さているという事情です。
Googleウェブマスターツールへのサイトの追加方法は探させばいくらでも出てくるのですが、「該当ドメインにユーザー登録がされている状態」では、いくら管理画面から「サイトの追加」を行ってもユーザー状態で復元されるのみです。
つまりサイトの管理画面に、サイトの確認方法が表示される事もなく、ユーザーの追加/削除メニューに辿りつけず、、、つんだ状態になります。
STEP1:第3ユーザーがまず所有者となる(作業は第3ユーザー)
この状態では本命ユーザーがいつまでたってもサイトの所有者になれないので、まずは、該当ドメインにユーザー登録されていない第3ユーザーをサイトの所有者にします。
[サイトの追加]
第3ユーザーでサイトの追加を行います。
[所有権の確認]
サイトの確認を行います。
第3ユーザは一連作業完了後に所有権を剥奪します。当然、サイトの確認に使った手段も削除する必要が出てきますので、工数がかからず作業リスクの少ない「HTMLファイル」などが適切ではないでしょうか。
STEP2:第3ユーザーから本命ユーザーを所有者登録(作業は第3ユーザー)
新たに所有者となった第3ユーザーを使って本命ユーザーを所有者にします。
[ユーザーとサイト所有者の画面へ移動]
第3ユーザーのアカウントで、設定メニューの「ユーザーとサイト所有者」をクリックします。
[サイト所有者の管理画面へ移動]
所有者の追加ですから、「サイト所有者の管理」をクリックします。(ユーザーの追加ではないので注意)
[サイト所有者を追加]
ページ下部の「サイト所有者の追加」ボタンをクリックして本命ユーザーを所有者登録します。
STEP3:本命ユーザーが第3ユーザーを削除(作業は本命ユーザー)
晴れて本命ユーザーが所有者になりましたので、作業のために所有者とした第3ユーザーを所有者から解除します。 と、その前にサイトの確認方法を追加しておきましょう。
[本命ユーザーの所有権確認方法を追加]
第3ユーザーから登録された状態では、本命ユーザーは所有権の確認方法が「所有権の移譲」になっています。管理画面の「サイト所有者の管理」画面を開くと確認できます。本命ユーザーの所有権確認方法を追加するために、同画面の「別の方法で確認する」をクリックします。所有権の確認方法は何でもいいですね。
[所有権の確認方法が追加されている事を確認]
確認方法を追加すると情報が追加されています。
[第3ユーザーを所有者から解除]
最後に登録に利用した第3ユーザーを削除して作業は完了です。あ、第3ユーザーの認証に使ったHTMLファイルなども忘れないように削除してください。