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デファクトスタンダードなSaaSを選びサービス間でのデータ連携をするという事

tl;dr

  • 企業の課題は部署・機能をまたがらないと解決出来ない
  • 故に、SaaSを使う場合は他サービスとデータ連携できる事は必須
  • SaaSはベンダー側が勝手にアップデートする
  • 故に、潤沢な開発コストをかける事ができ、ノウハウの蓄積もできるデファクトスタンダードなSaaSを選択する事は合理的

 トレージャーデータさんが利用しているSaaSを一覧で紹介してくれているエントリが素晴らしいです。知らないモノもチラホラとあり非常に興味深かいリストだったのですが、特に印象に残ったのはリスト自体では無く最後に記載されているコメント。

業務向けのサービスを選ぶときに重要視しているのは ‘他のサービスとの接続性’ です。何か1つ入れると、確実に他のサービスと連携したいという要望が必ず出てきます。
そういう意味では、多少高くてもデファクトのツールを入れておくのが結果的に最善かなという方針で選んでいます。また、最高の人材を雇っているからこそ、ツールにも投資する必要が有るとも考えています。

 おっしゃる通り過ぎです。

 一応SaaSに勤務している人間として「ぐぅ」くらい言おうと思い、感じたことを垂れ流します。

サービス間のデータ連携

 企業で発生する課題を解決したい場合、部門や機能で閉じて解決できる事は皆無です。

 セールスパイプラインの課題を解決するためには、セールスだけでなく、セールスパイプラインの前工程であるマーケティングと連携して課題解決をする必要があるでしょう。そのためには、SFAとMA(マーケティングオートメーション)の連携が必須です。

 逆に、マーケティングキャンペーンの課題解決のためには、マーケティングシステムとSFA・CRMの情報と連携して効果測定する必要があります。

 交通費の課題をとってみてもそうです。交通費の最適化を図るためには、営業が使っている交通費と売上成績の相関をみる必要もあるでしょう。そこを無視して交通費だけを締め付けると、営業のモチベーションが下がって「交通費は下がったけれど売上はもっと下がった」なんてお笑いネタが発生するかも知れません。

 ま、言うは易く行うは…… というやつですが。デービッド・A.アーカーが『シナジー・マーケティング』で「サイロがー!!」と叫んでいた分断された組織問題は、人間の根源的な問題であり、解決しないがゆえに一生悩み続ける問題なのかも知れません。

 個人的に実感しているのは、「部門・機能間のデータが滞ると感情が濁る」という事です。データは血液のようなものですから、組織横断で課題解決するにはデータ連携というのは必要条件だと思っています。

デファクトスタンダードのSaaSを選ぶ

 今や星の数程あるSaaSの中から適切な製品を選ぶという事は至難の業です。ついつい価格だけで選択してしまいたくなる気持ちも分かります。

 ただ、SaaSの忘れてはいけない特徴は「ベンダーが勝手にアップデートする」という事です。キチンと開発されているサービスは数年で大きく変わります。

 デファクトスタンダードになっているサービスであれば、「多くのユーザーからのノウハウを得て、それに対して相応のコストをかけて開発をする」というサイクルが構築されます。ですので、時間の経過とともにユーザーが享受できる価値は増える可能性が高いです。

 一方で価格勝負をするSaaSは、開発コストをかける事ができないので機能が追加されない、ピボットと称して別のサービスを開発しだす、というような事も残念がら珍しくありません。

 もちろん、デファクトスタンダードのサービスが、大きくなることにより身動きが取れなくなったり、斜め上の機能ばかり追加してデブになるというイノベーションのジレンマ現象に陥る可能性もあります。逆に、新興サービスが素早く開発してのし上がっていくこともあるでしょう。

 ただ、巨人が更に巨人になる確率と、新興が開発投資ができなくなる確率のどちらが高いかと言えば……


 結局、SaaSを見る時に、「他サービスと連携できるのか」や、「そのカテゴリのデファクトスタンダードなのか」「違うとすればデファクトスタンダードとの違いは何か」などの視点は持たれる事をオススメしたいだけです。

 まぁ、個人としてはデファクトスタンダードになっている巨人にチャレンジする企業に勤務しているので、「巨人がさらに巨人化する現実」にどうやって対抗するのかというのを日々考えるというポジショニングではありますが :P

シナジー・マーケティング

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