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マーケターの矜持とセンスが問われるWebトラッキング情報の活用

tl;dr

  • IPアドレスベースのWebトラッキングではコールドコールを解決できない
  • WebトラッキングのトレンドはファーストパーティCookieベース
  • Webトラッキングは強力な武器だが使い方は難しい

※ そもそもCookieって?みたいな説明は省いています。
※ パーミッションとかセキュリティの問題は本旨ではないので深く触れません。


 自社サイトに訪問したビジターのIPアドレス履歴を使って、「コールドコール問題」の解決を目指しているAzaleadというサービスが取り上げられています。

 読んだ感想。「IPアドレス」ベースのWebトラッキングでは「コールドコール」問題は解決しない。というか「IPアドレス」をもとにコールしたら、それはもう立派な「コールドコール」ではないでしょうか。

Webトラッキング三種類

 自社サイトのビジター履歴を活用するコトはWebトラッキングと言われ、大きく三つに分類されます。

 一つ目。記事に出ているAzaleadも使っている『IPアドレスベース』のトラッキング。ビジターのIPアドレスをサーバーサイドで取得してそれを利用します。サーバーサイドで管理が完結してブラウザの挙動は気にしくて良いのがメリットです。反面、IPアドレス単位は良くて企業単位での管理になります。

 二つ目。『サードパーティCookieベース』のトラッキング。主に広告で用いられているものですね。ドメインに関係無く情報を保存できるサードパーティCookieを使っているため、ドメインを超えてビジターのユニークさを管理できます。しかし、セキュリティの関係上サードパーティCookieは禁止される傾向にあります。モバイル系は全滅と言って良いでしょう。ここを強引にどうこうしようとフィンガープリントなんかも話題になりますが、本エントリでは触れません。

 三つ目。ドメインに紐づく『ファーストパーティCookieベース』のWebトラッキング。AmazonのレコメンドのようにCRM情報と紐付けて利用される事が多いです。セキュリティが担保されたファーストパーティCookieを利用しているため、基本的にはどのデバイス・ブラウザでも利用可能です。ドメインをまたぐ場合にパラメーター付けて情報を引き継がなければならなかったり、CRM情報と紐付けるにはログインとかメールクリックとかを経ないといけないのが弱み。

 表にまとめるとこのような感じ。

タイプ 対象 メリット デメリット
IPアドレスベース IPアドレス(企業) サーバーサイドのみで完結するのでブラウザ等に依存しない 個人ではなく企業単位の管理
Cookie(3rd)ベース ブラウザ(個人) ドメインをまたいでユニークに管理できる セキュリティ的にサードパーティCookieはどんどん使えなくなる
Cookie(1st)ベース ブラウザ(個人) 基本的にどのデバイス・ブラウザでも利用可能 ドメインまたぐ時に特別処理が必要

トレンドはファーストパーティCookieベース

 Webトラッキングサービスは結構古くからあります。昔の主流はIPアドレスベースだったのですが、最近ではファーストパーティCookieベースのサービスが主流になっております。IPアドレスベースのサービスも、最近はファーストパーティCookieの機能も搭載している物がほとんどです。

 この「IPアドレスからファーストパーティCookieへ」という潮流になった理由は単純です。IPアドレスベースで自社サイトにアクセスしてくれた企業がわかっても「ふーん」「へー」という以上でも以下でもないんですね。つまり『使えない』情報なのです。

 CRM情報と掛けあわせて「アクセスしてくれた可能性がある人」を特定したとしても、やっぱりアクションできません。「御社からアクセスあったんですが、あなたですか?何かありますか?」なんてコール出来ないですよね。

矜持とセンスが問われるWebトラッキング情報の活用

 ファーストパーティCookieを使ったWebトラッキングを使うと、ビジター単位(正確にはブラウザ)で「自社サイトのどこをどのくらい見てくれているのか」という情報を管理する事ができます。

 マーケターにとって、これはかなり強力な武器です。

 強力であるが故に使い方を間違うと大きな痛手を負います。「あなたWeb見たでしょ!なんかあるの!!言ってごらんよ!!!」なんてコールをした時には、コールドコールよりも相手を不快にさせる事は必至です。

 エンゲージとか横文字を使うまでも無く、見込み顧客との良好な繋がりを持つことはマーケターにとって大きな義務の一つではないでしょうか。

 見込み顧客のWebアクセス状況を理解できたとして、その情報をどの様に使うのかは正解が無いしベストプラクティス的なものも非常に乏しいので本当に難しい問題です。強力な武器を持った時こそ、マーケターの矜持とセンスが問われると思うのですが、皆様いかがお考えでどのように取り組まれておりますでしょうか?