なぜ巨人がマーケティングオートメーションに踏み込むのか

 その界隈でご飯を食べさせて頂いている人間からすると、遅々として歯痒い気持ちもあるのですが、徐々に「マーケティングオートメーション」という領域と言葉が浸透してきつつあります。

 まあプレイヤーも増加する一途なわけですが。厄介な事に数が増えるだけでなく参加するプレイヤーの企業規模が大きくなってきています。Oracle・Salesforce・IBM・Adobe……IT界の巨人達がこぞってマーケティングオートメーション領域に参加してきています。

 なぜ、このタイミングで巨人たちはマーケティングオートメーションに参加してくるのでしょうか?

 個人的には、一つの大きなうねりを感じており、そのうねりが巨人たちをマーケティングオートメーションに引き込んでいるのではないかと考えています。

 そのうねりとは「IT部門がCRMの次の投資先を探していてマーケティングオートメーションはその最右翼になりつつある」といううねりです。

 ユーザーとなりうる企業の内部要因と外部要因に分けてこのうねりを見てみます。

 企業の内部要因で考えると、多くの(大きな)企業ではCRMに対する投資が一段落しました。現在では営業情報・基幹システム連携がなされていない企業の方が少数派でしょう。このCRM分野のマーケットリーダーは言わずもがなでSalesforceですが、Salesforceは大きな副産物を産んでくれました。IT部門が基幹業務系システムの投資先としてクラウドを選択することに違和感を感じなくなったのです。そのため、IT部門ではCRMの次の投資先をクラウド含めて、いや、むしろクラウドをメインに据えて探していると言っても過言ではありません。スクラッチで組むことよりクラウドアプリをカスタマイズするほうが良いという経験をした企業も多いはずです。

 外部要因はどうでしょうか? モバイルファースト・O2O・IOTなど企業が扱わなければならないデータは増加の一途です。データをCSVで落としてExcelのvlookupを使って紐付けて……とか絶対無理です。幸いなことにテクノロジーの進歩は企業が取り扱う事のできるデータ量を飛躍的に増やしています。正しくテクノロジーを使う限りデータ量が問題になることは無いでしょう。その前に人間の脳みそがショートするので。


 CRMという大きな山を超えてので投資できる予算に余裕が出てきた。折も折、取り扱わなければならないデータが増加してテクノロジーを使えば解決できそうな状態がうっすら見えてきている。

 このような企業が世の中にはいるとかいないとか。解決すべき課題、そしてそれを解決するためのお財布が見えてくるとプレイヤーが増えないわけがありませんよね。

 こんな穿った見方をして巨人の顔ぶれを眺めてみるとどうでしょうか。色々と妄想が出来そうです。データベース消費量を増やす、CRMを軸に企業のデータを全て握りにいく、エンプラIT王者を取り戻すなどなど。あとはCRMで苦戦しているMicrosoftがどうするかも見ものですよね。

 まぁ、巨人ではないマーケティングオートメーションベンダーに勤務している身としては、大きなお金でマーケットを作ってくれるというメリットは確かに感じながらも、できれば巨人たちの侵攻はやめて頂きたいのですが :(

 あ、でも転職先が広がるね :D