僕は1ページですべて見たいんですけど…素人がメディアからページャーなくなる道を模索して絶望するまでの道のり

 自分も嫌いだし、狭い観測範囲の中ではすこぶる評判が良くない「コンテンツの分割表示」、いわゆる「ページャー」。身の回りの評判の悪さとは裏腹にほぼ全ての大手メディアで採用されており、失くなるどころかむしろ分割の粒度が細かくなっているなど悪化している印象さえあります。

 本来ページャーは、低速な通信環境とブラウザが貧弱なレンダリング機能しか持っていなかった時代に「すこしでも早くユーザーにコンテンツを表示する事」を念頭において発達した手法なはず。また、一般Webデザインがこなれていなかった頃に紙のレイアウト構成をそのままWebに活かせるというメリットもありました。どちらもユーザーにコンテンツを見やすく提示するというユーザー目線が根本にありますね。

 時代は進み、通信環境は高速になりブラウザのレンダリング機能も強力になりました。Webでコンテンツを表示するレイアウトデザインも発達しました。ページャが果たすべき役割は終えたと言っても過言ではないでしょう。ところがどっこいページャーは残り続けている。


 なぜページャーがなくならないのか? 一番大きいのはメディア側の最重要KPIにPVが設定されているからですよね。

 ページを分割すればそれだけPVは増加しやすくなります。1ページに全てコンテツが集約されたサイトAと、コンテンツを10分割するサイトBがあったとしましょう。サイトAで全て読んで満足しても1PV。サイトBで「うわっ。ページ多い。帰ろ」ってすぐに直帰しても1PV。サイトBでは、コンテンツを読みたいユーザーがいればいやいやでも2P目移行にアクセスしてPVは増加します。PV増やすためにページャーを設置するのは合理的といえます。

 メディア側としては合理的な判断であったとしてもユーザーとしてはどうでしょうか。いちユーザーとしては、ページャーが消滅して1ページでコンテンツ全てが表示される事が普通の世界になって欲しいです。以下、ページャーが嫌いという個人的な感情だけで、どうすればページャーが衰退するのかを妄想してみます。


 悪はいつか滅びる。待っていれば「多くのユーザーはページャーがダメだと認識している。ゆえにページャを多用するメディアは評価が下がり、時間がかかるかもしれないがそのメディアのPVは減っていく事になる。そうやってページャーは衰退していく。」というような未来はきますかね?きっと来ませんね。仮に多くのユーザーがページャーが嫌いでページャを多用するメディアに対して低い評価を下したとしましょう。そうなっても、タイトルを工夫すればある程度PVは稼げそうです。一般的にメディアでは記事単位でコンテツが独立しているので、タイトルで頑張ればソーシャルからの流入は望めるでしょう。短縮URLが一般化している現状ではどのメディアというのは特に意識をせずにタイトルだけでアクセスするかどうかが判断されます。オーガニックでもURLまでは見ない人がほとんどなのでアクセスはされそうです。

 PVが最重要KPIに設定されている限りページャーをやめるモチベーションは出てきません。最重要KPIをPV以外にできないでしょうか。

 何人が見ていようがユーザーは1人。メディアはもっと人に注目すべきだと考えて、最重要KPIとして「UU」を採用するのはどうですしょうか? ダメですね。「UU × 1人あたりのPVが総合PV」 つまりUUはPVの下位指標ですしね。PVの分析のためにUUを使う事はあっても最重要KPIとしてUUがPVを代替する事は無理そうですね。

 PVあっても満足度が低ければ意味が無い。滞在時間で満足度を図ろう!はどうでしょうか? 先程も述べましたがメディアでは記事単位でコンテンツば独立しています。そして大多数のユーザーは興味のある記事しか見ないです。ページャーを廃止して1Pにまとめると「ランディングページ=離脱ページ化」が進み、そもそも滞在時間がほとんど取れなくなりますね。滞在時間もPVを代替する事はできなそうです。

 最後の希望の光。そのコンテンツはきちんとユーザーに届いたのか?を考えるために「完走率」をKPIにするのはどうでしょうか。ページャー版で最終ページまでの到達率と1P版で最終スクロールを比較してどちらがユーザーにコンテンツをきちんとどけることができたのかを分析する。「完走率」をKPIに設定すると1P版の方が完走率がよくてページャーが衰退していく……わけないですね。

 そもそもがPVがKPI設定されているのは広告にダイレクトに響くからです。広告営業時にこのメディアは完走率が高いんですよ。なんて言われても正直響かないでしょう。故に「完走率」がPVの代替になることはありえない。

 逆に考えると広告出稿時の営業に有利な数値であればPVから最重要KPIの座を奪えますね。パッと思いつくのはと広告のCTRです。PVやめて広告CTRがを最重要視して、、、はい、今のPV至上主義より確実に良くない未来になります。

 というか代替KPI探す事自体が面倒臭い。今回は「ページャーいやだというエントリを書く」ために考えていますが、メディア側がPVを代替するKPIを模索する必要って正直ないですよね。メディアの力を示せて、取得するのにコストがかからなくて、広告営業時にも分かりやすい。今更ですが、そらPVを最重要KPIにしますよね。


 広告出稿側が変わればメディアもPV至上主義から脱するでしょうか。純広告であればインプレッションを無視してCVRだけを追う、、、、無理ですね。広告出す稟議通らない。というか広告だす企業側がそこまでするメリットが見当たらない。「このメディアはこのくらいのPVあるからインプレッションがこの程度見込めて、CTRがこれくらいでCVRがこれだけ期待できます。」というのは筋が通った稟議です。広告出す側がPVを敵対視する理由はありません。ま、できて記事広告の時にページ分割やめてくれって言うくらい。そんなのは焼け石に水です。

 世の中の大多数が本当にページャーがうざいと思っていれば、ページ分割しない新メディアが誕生して人気を博して他のメディアも右向け右でページャーが衰退していくというのが歴史的には一番美しいんでしょうが。どうですかねぇ(投げやり。時間かかりそう。

 即効性があり破壊力もあるのはページャー型コンテンツがGoogle先生に低評価されるという事ですが、、、現実的ではないですね。

 色々妄想してみたけどページャーなくならない気がするなぁ。

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