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トヨタ生産方式のキーワードを使って理解するマーケティングオートメーション

マーケティングオートメーション

 「マーケティングオートメーションってあれでしょ?人間を不要にして機械が全てやることを目指してるんでしょ?」

 ほんのすこしだけ流行りだす傾向が見えてきたマーケティングオートメーションですが、色々な人の思惑が入り乱れて混乱が生じています。

 マーケティングオートメーションに関わっている人間としては、「マーケティングオートメーションってなんなの?」という事が、誤解なく少しでも分かりやすい形でつたわって欲しいです。そのため無謀なようですが「マーケティングオートメーション」というモノを「トヨタ生産方式」を使って説明することを試みます。

 今回は素晴らしいトヨタ生産方式から「自働化」「ジャスト・イン・タイム」「改善」という3つのキーワードを拝借して、マーケティングオートメーションってなんなの?を説明してみます。詳細な機能の説明はあえてせずに大きな枠組を捉えていただき、目指している方向性などを感じ取っていただければ幸いです。※ 基本的にはBtoBマーケティングを想定しています。

自働化

 トヨタ生産方式では自働化を、

「自働」とは、機械に善し悪しを判断させる装置をビルトインした機械であり、「自動」は動くだけのものです。機械を管理・監督する作業者の動きを「単なる動き」ではなく、ニンベンの付いた「働き」にすることが「自働化」を意味します。

 と定義しています。トヨタ | トヨタ生産方式 | 自働化について

 マーケティングオートメーションにおいても、オートメーションは「自動化」ではなく、ニンベンのついた「自働化」です。

 多くのBtoB企業では、展示会で名刺を獲得してメールを出しっぱなしや、セミナー開催して言いたいことを言いっぱなし、広告をだしてコンバージョンをただ待つだけというような「単なる動き」のマーケティングになっているという現状があります。これを変えるために、マーケティングオートメーションではマーケティング活動に対する顧客の反応をルール付けして、該当した顧客を管理者に通知したりします。通知を受け取ったマーケティング担当者や営業担当者は、対応するべき顧客にたいしてなぜ対応する必要があるのか?その顧客はどのような動きしたのか? を理解した上で次のアクションを実施します。

 トヨタ生産方式が「異常があれば機械が止まる」事を通じて「働き」を実現するのに対して、マーケティングオートメーションは機械を駆使して検知した顧客の動きを管理者に通知する事により、通知された管理者の「働き」の実現します。どちらも「人間が思考するべきタイミングを知らせて適切な動きを促す事で働きを実現する」といえるのではないでしょうか。

ジャスト・イン・タイム

「ジャスト・イン・タイム」とは、「必要なものを、必要なときに、必要なだけ」という意味です。 「必要なものを、必要なときに、必要なだけ」供給できれば、「ムダ、ムラ、ムリ」がなくなり、生産効率が向上します。

 かんばん方式を利用して、後工程が前工程に部品を調達する事により実現する「ジャスト・イン・タイム」。トヨタ | トヨタ生産方式 | ジャスト・イン・タイムについて

 マーケティングオートメーションでは、後工程を顧客であると捉え、顧客が必要な時に、必要な情報を、必要なだけ享受できる事を目指します。顧客のステージ、行動履歴を鑑みて追加の提案をメールでしたり、場合によっては電話で直接会話をすることも試みます。大事なのは「顧客の都合という後工程」が必要とする情報を必要な時に届ける事を目指すという事です。

 こうなると「コールドリストに対するテレアポ」というような『ムダ、ムラ、ムリ』があるマーケティング活動を削減できます。企業側は少人化でき、顧客側も不必要な対応に時間を取られないという事になるので、社会全体の生産性も向上します。

改善

 マーケティングオートメーションでは、マーケティング活動や顧客の状態を定義することにより機械に様々な事をさせます。

 見込み客の質が良い悪いなどという曖昧な表現をしている状態では機械は仕事ができません。自働化のための通知はどのようなルールで飛ばすのか? 顧客にとっての「必要なものを、必要なときに、必要なだけ」というのは「いつ、なにを、どれだけ」なのか?などを具体的な定義と意思決定をして実行する必要があります。

 もちろん定義をしたからといって、いきなりバチンとハマって結果がでるという事はありません。そのため、改善活動を行っていきます。KPIをさだめ、その指標がきちんと計測できる状態をつくってからオートメーションを実施します。定義・計測をせずに行動を変える事はただの思いつきですよね。

 想定していた目標に対して差分はどうなっているのか?差分の根本原因はなにか?問題は母数なのか率なのか?それともシナリオに無理がったのか?むしろ計画自体に無理があったのではないか? では具体的にどこからどのように改善するのか! などなどの改善サイクルを回すことによって、マーケティング活動を通じた企業の利益の最大化を目指します。


 覚えていただきたいのは、マーケティングオートメーションはテクノロジーに詳しい人たちが大きな予算で遊べるおもちゃでもありませんし、CMOなどがいないと利用できないものでもありません。いるにこしたことはありませんが :)

 目指しているのはマーケティングに取り組む企業の持続的な発展です。そして、中心は『人』です。人がより良く働けるために機械がサポートします。その先にはマーケティングプロセスの中心が顧客になるという世界の実現(復権)です。

 BtoBマーケティングに取り組む方々の大きな課題の一つに「顧客を中心としたマーケティングプロセスを構築したいけれど現実的には無理でしょ?」というものがあります。なんと言われようが生存するためには無差別のテレアポをしなければならない。という状況はここそこにあります。このような課題にマーケティングオートメーションは真剣に向かい合います。

 プログラミングのような事をしないといけなかったり、無数のコンテンツが必要なわけではありません。特定企業のみが対象のツールでもありません。マーケティングオートメーションは世の中に広く散らばっている泥臭い課題を解決するために存在しておりますのでご愛顧頂きたく、お願いいたします。

 結構真剣にこうおもってるんですが…… いい加減、浸透しないかな〜。

トヨタ生産方式

トヨタ生産方式