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枠から人への底流で流れている企業都合から顧客都合へ

 広告の世界で『枠から人へ』というキーワードをよく聴きます。オーディエンスターゲティングやプライベートDMPなどを扱う文脈では必ずと言っていいほど言及されていますよね。

 これまでは出稿する先の媒体特性などを見ながら広告が表示される枠を買っていたのに対し、DMPなどでターゲットを特定できるようになったので広告を表示したい人を買うようになってきた。ざっくりこんな感じでしょうか。小難しく言おうとすると、従来のデモグラフィックデータのみでのターゲティングから、行動解析を使ったサイコグラフィック属性を加えたターゲティングにより広告の最適化を行うようになった。なんて言い方もできるでしょう。するメリットないけれど。

 『枠から人へ』という言葉自体は平易な言葉なのですが、説明にはDSP、SSP、DMPなどの略称3文字アルファベットが頻発してきたり、オーディエンスデータやアトリビューションなど言葉だけでなく概念も難しい物がたくさんたくさん出てきて難しくて嫌になるか、代理店に丸投げしたくなる。枠から人へという考え方やそこへ向けての動きは確かに素晴らしいものがありますが、難しすぎやしませんか。まぁ、キーワードを担いでいらっしゃる方やエコシステムにいらっしゃる方から「仕組みを理解できないところがそれ相応の投資をするとは思えないからターゲット除外で問題ないよ。」と言われればそれまでではありますが。

   ただこの枠から人へというという「考えの根底にあるもの」は、アドテクだけに限らず広く使える考え方かと思っています。私が勝手に根底だと思っているもの、それは「マーケティングアクションのタイミングが『企業都合から顧客都合へ』と変化して来ている」ということなのかなっと。

 枠の売買って「顧客の都合は関係なく」出稿側が決められた枠に広告を出稿していたという事ですよね。企業側は「顧客の都合」なんて知ることができなかったので自分達の都合で確度が高そうな枠をさがして広告を表示していた。対して人の売買では、自分のサイトのどこどこを見たというような人の情報が使えるので「この人は『今』これこれを探しているはずだ」という「顧客の都合」を考えて広告を表示する事が可能になったと理解しています。

 ようは、今まで分からなかった顧客の都合、顧客にとってのタイムリーさというのが見える部分が出てきたので、「やりたくてもできなかった顧客都合のマーケティングという道が少し拓けてきた(=企業都合から顧客都合へ)」というのが最近起きている底流ですよね。その底流が広告を動かし「枠から人」へという流れが上流で見えてきているのかなって。(母数の事をお留守にしているので「それで目標到達できるのか!!?」というお叱りが飛んできそうなのは百も承知なのですが、ここで言及するととっちらかりすぎるので別エントリーにします)。

 『企業都合から顧客都合』という風に考えると、この考えが課題解決する先を「コールドリストへのテレアポ」という多くのBtoB企業にとって身近な問題に広げる事が可能になります。

 「AIDMAとかAISASとかはBtoCの世界の話だろ?そんな事より1件でも多く電話するんだー。」って。本当はコールドリストへのテレアポが課題だと感じていはいるものの生存するために実施している。結果として「数百件に一件程度は顧客から話を聞いてもらえる」という奇跡がおきるものだからやめるにやめられない。このような課題をお持ちの方は沢山いらっしゃると思います。

 でも、やっぱりこれって課題だと思うんですよ。顧客の都合を無視したWebバナーなら顧客にとってそれほどデメリットはないでしょうが、「無許可のテレアポ」って顧客からすると圧倒的に迷惑なんです。それに、Webバナーは自分が無視されてもなんとも思わないけれど、人間は何度も何度も断られたり見知らぬ人から怒られたりすると疲弊しますよね。もう焼き畑です、コレ。対内的に対外的にも。

 Hubspotの本や資料を読んでいると、本来インバウンドマーケティングとかはこの辺りの課題解決をテクノロジー色を上手く消してターゲットにしていた気がするんですが、、、テクノロジー色を消しすぎたがゆえにバズワードになって肝心の課題設定が掻き消された気がしますね:(

 個人的には、このあたりの「企業都合を押し付けている事に問題意識は感じているがやめられない」という課題を解決するためにマーケティングテクノロジーを利用するというのは至って合理的な判断だと思っています。同時にそれをきちんと届けるという事はマーケティングテクノロジーにとっての課題ではないのかなって思っています。

 マーケティングオートメーションなんて言葉が良くないのですかねぇ。この横文字のせいで、本来は先鋭化されすぎた広告技術やtoCに特化されているマーケティングツールに対する「破壊的技術」の側面が上手く伝わっていないとおもうのです。

 あかん、グダグダになってきた。まぁ、何が言いたいかというと、今マーケティング界隈では、様々なテクノロジーを使って、顧客都合・顧客目線なんていう昔から使い古されているけれど使われていない泥臭い事にチャレンジが行われているんです。けれど、テクノロジー色が全面に出過ぎてそれが伝わってないですよね。本気で伝えるならもっと平易にして伝えないといけないけれど、「で苦労して伝えた先の予算はいくらあるの?」というのが、、、ねえ、だからコストはかけてないですよね。

 でも、これって本当は良くないことだとおもうんですよね。

 あ、もう既に2,000字超えているからこのエントリではこのあたりでやめますが、こんな所に課題感を感じているやつがこのブログを書いてます。今後はこんなポエムではなくて、少しずつでも本業に差し障りのないレベルでマーケティングオートメーションとかについても書いていきたいと思っています。折角のブログですからね。

ザ・アドテクノロジー?データマーケティングの基礎からアトリビューションの概念まで

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イノベーションのジレンマ 増補改訂版 (Harvard business school press)

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