BtoBマーケティングでのA/Bテストの壁と乗り越えた後にくる効果

 有効なマーケティング手法として一般的に受け入れられつつあるA/Bテストですが、BtoBではまだまだこれからな感じのです。もっとひろまって欲しいという願をかけながら、BtoB企業が取り組む場合の壁と効果を個人レベルでまとめてみます。

 個人レベルで一般化されたものではないため「ふーん」程度の読み物です。ここでのA/BはWebなのかメールなのかなどを問わず手法全般の事です。私は基本路線として、BtoBでもA/Bはもっと推進されいくべきというポジショニングをしているのでポジショントークは多分に含まれています。はい、先にひと通りの言い訳はおわり。

 では本題。

A/Bテストに立ちはだかる壁

 まずは立ちはだかる壁。そもそもがA/Bをやらなくてもいいという場合もありますが、ここではやったほうがいい時に立ちはだかる代表的な壁をあげてみます。

オンラインにかけるリソースが限られている

 そもそもBtoBマーケティングを実施している部門は慢性的なリソース不足です。ことさらオンラインへ向けることができるリーソスは限られているのが現状です。

 話は聞いた事があるし、取り組んでみたいけどリソースもモチベーションもカッツカツ。

 解決するには誰かが伴走するしかないです。ツールだけでもダメだし、ggrksは当然ダメ。まずは結果がでる(逆にでない事が分かる)まで一緒に走る人が必要。

 一緒にやるのに手っ取り早いのがメールタイトルのA/B。タイトルだけであれば巻き込む人が少なくて済むし、必要となるリソースもそれほど多くない。そのわりに結果が見えやすくあとで述べますが時間も短くてすむ。

 効果を感じて、楽しいと感じて、結果をまとめて、その数値をもって広げていくのが理想っす。

ゴール設定を間違えてアホの子扱いされてしまう

 「フォームの入力項目を減らしたら問い合わせ増えるかもしれないから!!コレでA/Bしましょう」とかね……

 企業によっては、問い合わせフォームで企業規模や従業員数などが必要である場合があります。これは何も間違っていません。問い合わせフォームのゴールが商談発生だから。

 新しいことをやりたいがために、ここを無視して冒頭のような事を口走ってしまうとアホの子になってしまう。アホの子が推奨しているということでA/Bは「アホの子ツール」として認定されてしまう。悲しいです。恐いのは敵ではなく味方だった。

 どうしてもフォームをやってみたいなら、フォームのフォーカスイベントとっていて離脱のあたりをつけた状態で検証のために項目を減らしたいというアプローチを取るとか、セミナーフォームでは項目最小限でいい → なぜなら来場者は名刺もらえる → 来場者をフォローするから結局は名刺情報ははじめに入力しなくてもよい。とかとか方法はいくらでもあるからきちんとした手順を踏むべきです。

 あげたのは極端な例だけどKGIがお留守になるのはやってしまいがちです。「KGIがお留守ですよ」って神様の言葉を忘れると意識高い扱いで終わってしまう。

外注費用が高くなる

 メール文面からメール配信までを外注している場合。外注先が効果をあげるためにABなどを提案してくれればいいのですが………… 無いでしょう。

 ユーザーから「A/Bで効果みてみたい」なんて話を持ちかけると、メール文面作成費用と配信費用が倍で見積もられてきて断念なんてね。ま、作業としてやっている方は、「手間が2倍になる」という捉え方だから工数二倍見積り二倍という回路は理解はできる。外注先が効果をきちんとあげていたり検証が行われていればそもそも問題ないですが。ね〜。

 A/Bなどは本来は内製する事が望ましいとは思いますが、そうもいかない事もあるでしょう。ここはいいサービス提供企業を探すしかないですよね。どこにいるんだろうか。A/Bとかどうですか?と聞くと「あ、大丈夫ですよ」と営業の人がこたえてくれても、運用になると明らかにやっつけの2案が出てきたりしない所。

 きっとこういうのが得意とする会社が今後は増えてくる過渡期なんです。いまは。そう信じてる。

母数がない

 Webのアクセスも少ないし、メール配信対象が1,000もない。というように母数がないという事もBtoBでは多い。

 新しい担当の方がA/Bとか興味があるけど、母数が…………なんてパターン。残念ながら母数が少ない状態では順番が違うので、まずはWebコンテンツ作りながら、リストを集めて整備していくという順番を取らなければならないです。

 着任された時の気持ちをいつまでも忘れないで。

ABが思いつかない。というか考えたくない

 最近流行ってるらしいから興味はあるけど、パターンとか思いつかない。あと、予算もない。でも試してみたいからお試しでなんかできない?

 無理です。

A/Bテストの効果

 壁はいろいろあるけれど、やってみると良い事が確実にあります

PDCAが書類ではなく実際にまわる。そして楽しくなる

 メールは月に1回。Webの更新は数ヶ月に1回更新。などという事が正直めずらしくないのがBtoB。この状態では、なにか施策をしても検証サイクルを回すのが難しい。

 A/Bをすると素早く検証できる。メールタイトルであれば思い込みの日本語チェックや古の80文字折り返しチェックだったものが、反応率のデータの話に変えることができる。「試してみましょう」という言葉も言えるようになる。実際ためしたらメール配信してから1日程度で結果は見えてくる。今まで思い込みだけでモヤモヤとやっていた所に光が差込む感じ。そして、それが楽しいと思って頂ける。

 楽しいって大事です。そこをベースにきちんとデータを持って検証サイクルを回して企業に対する貢献もきちん行えるスタートラインにたてるといえば言いすぎでしょうか。

呪術師退散、データ礼賛

 A/BではHiPPO(Highest Paid Person's Opinion)という単語がよく出てきます。データの裏付けのない上司の意見のことです。ノウハウ提供という名のもとに「データの裏付けのない『思い込み』や『美化された記憶』」を売り込んでくるのは、上司だけでなくコンサルタント様を筆頭に数多くいます。

 「このような業種に向けてはこういうメールタイトルと文面、違う人にはこのような形、エグゼクティブは忙しいので朝一のメール配信は避けてください。月曜日のメール配信はダメですよ。メール溜まっているんで」なんてしゃーしゃーとおっしゃります。ソースは?ってなると「ノウハウです」なんていう。月曜日にメールが溜まっている「えぐぜくてぃぶ」とかやだなーって思ってしまう私は「のうはう」がたりないのでしょうね。

 このような呪術的な儀式でやっていては正直効果がわからないです。いや、きっと出てない。今まで呪術を受け入れていた人たちが、A/Bを皮切りにデータに裏付けられた検証に興味を持っていただき、何となくやっていた事を積極的に改善していただくというのは素晴らしい事です。

 ノウハウは人から提供されるものではなく自分達でためこむモノですから。

 マーケティングに関わる方の提供する価値あるものがよりよいモノになるために、データドリブンがもっとひろまればいいとわりと真剣に思っています。ます。