Gmailのプロモーションタブが変えていく世界でBtoBマーケッターはどうするべきなのか

先般、Gmailの新UI機能としてタブが採用されました。この新UIを有効化すると、ソーシャル・プロモーション・新着・フォーラムなどのタブが並び、そこにカテゴライズされたメールが自動的に振り分けられます。機会がメールを自動で振り分けてくれるというのは思ったより便利ですし、特に広告系のメールが自動的に振り分けられるプロモーションタブは画期的です。

受信側とすると、不要な広告が自動で振り分けらるので広告メールを見なくてすむというメリットがあります。受信側としては嬉しいです。では、発信側としてはどうでしょうか?なにか影響があるでしょうか?

プロモーションタブGmail限定であることや、出始めの機能であることを考えると、今すぐの影響は限定的でしょう。しかし、この「広告メールを自動で振り分ける」という事は、「迷惑メールは自動で振り分ける」というのと同じようにメールのルールとして広まる可能性を秘めています。

そのため、現在でも発信側としてこの問題について考える必要があると思いました。

何がプロモーションタブに入るのか

まずは、仕組みを理解することを試みます。Gmailは何をベースにメールをプロモーションタブに振り分けているのでしょうか?

ヘルプによれば、

特価、クーポン、その他のプロモーション メール。

などの情報がプロモーションに振り分けられるようです。

受信トレイのタブとカテゴリ ラベル - Gmail ヘルプ

テキストマイニングがベースになっているのでしょうが、なにを持って特価やクーポンメールとみられるのかなど疑問が引き続き残ります。どのようなルールになっているのでしょうか。

ということで実際にしばらく利用してみました。

結果として、「このようなルールになっているのではないか」という確信を持つには至っていませんが、一斉配信メールはプロモーションタブに入りやすいと感じました。広告メールのほとんどが一斉配信で送られているのだから当然といえば当然なのですが、なにかのアクションがトリガーとなって送られているであろう広告メールがプロモーションタブに入る事は現時点ではありませんでした。

どのようなメールがプロモーションタブに振り分けられるのか現時点においては確信を持てないですし、疑問を感じることも多いです。また、これを解消しようとすると結構な労力を使ってテストをする必要がありそうです。今回はルールの特定が趣旨ではないので次に進みます。

広告=スパムなのか?

次は、「広告メールは別タブに!」という半ばスパムのような扱いについて考えてみます。

この問題については、非常に興味深いエントリーがあります。
Gmailの「プロモーション」タブが導入されて、楽天の広告メールを一通も見ることがなくなったのはテクノロジーの勝利 - Future Insight

さて、今回の「プロモーション」タブの導入がどうしてそこまで価値があったかというと、「技術的に広告メールをスパムとして扱うのは筋が悪い」というのがあります。広告メールが0.1%のユーザーには役に立っている可能性もあるので、網羅的に全てをスパムフォルダに入れるわけにはいきません。広告を配信する楽天側もおそらく0.1%のユーザーに引っかかればよいというロジックでメールを配信していると思いますが、そのためにメールというシステム自体の価値を大きく毀損させているのですから、広告メール配信側も同様のロジックでメールを配っていると想像します。

ここで述べられているように、メール配信コストが安いのをいいことに、メールというシステムの価値をすり減らしながら、焼き畑を行っている所は確かに存在ます。「広告メールとスパムとの違いはなに?」、「それは、わかりにくかろうがオプトインをとっているだけだよ」というような世界です。

BtoBに特価して考えると、「上記はBtoCの話。BtoBでは違う」と割りきってしまっていいのでしょうか。上記のような事を言うと、BtoBマーケッターの皆様から、倫理的な観点はもちろんの事、平均1万円程度の単価をかけて獲得した見込み顧客を上記の用に焼き畑するのは、ビジネス的な観点からありえない。自分達は節度を守ってメールコミュニケーションを実施している。というお叱りを頂きそうです。

存在を消される

ただ、節度を守ってメールコミュニケーションをされているBtoBマーケッターの皆様に残念なお知らせをしなければなりません。節度を守っていようがどうしようが、メールソフトに広告メールと分類されると存在が消されてしまう未来が来るかもしれません。

Gmailの新UIを利用しだしてから自分でも驚いた事が、プロモーションタブに入るメールは黒ヤギさんばりに読まずにすてるようになった事です。本文どころかタイトルすら見ずに、もっと言うとタブすら開かずに「広告メールという固まり」として無視するようになりました。スパムと同じ扱いです。

自分が特殊だとは思いません。プロモーションタブを使うようになると、かなりの数の人達が同じ行動をすると思います。

これは、節度を守っていようがどうしようがプロモーションタブに入る時点でアウトになるという事を意味します。オプトアウトすらしてもらえないのです。

もし、私が思い込んでいるように「広告は自動で振り分けるべき」という思想があたりまえになっている未来が来たとしたら、、、「タイトルを頑張って考えて開封率をあげたい」というような事すらできなくなります。相手にタイトルが届く前にメールソフトが存在を消し去ってしまうのですから。

配信タイミングのセグメントを

このような未来が来ることを前提とすると、発信側としてはどのように対策を立てていくべきなのでしょうか。この時に、ルールをどうにかしてかいくぐるという発想は捨てなければならないでしょう。ある時点でかいくぐる方法を途中で見つけたしても、いずれはテクノロジーに駆逐されるはずです。ブラックハットSEOの歴史を繰り返しても仕方がありません。

では、どのような対策が考えられるのでしょうか?これについては、ユーザーが望んでいる状態にするというのが、結局は一番の近道では無いかと思います。すなわち、「適切な内容」を「適切なタイミング」で届けるという状態を目指す事です。

特に、「必要なタイミング」です。

広告メールがスパムにならないように配信対象のセグメント化は多くの企業で行っています。ただし、これだけでは相手にとって有益な情報がのっているかもしれませんが、タイミングを無視しています。相手が望んでいる「適切な内容」を「適切なタイミング」を考えると、対象をセグメント化するだけでは片手落ちです。

落ちている片手が持っている「タイミング」という物を取り戻したいです。対象だけでなく、タイミングもセグメント化したいです。短絡的ではありますが、web訪問をキャッチするであるとか、過去のweb訪問時間や、クリック時間などから考慮してタイミングを図るなど方法は色々あるはずです。この辺りは、アドテク界隈でのリアルタイム性が随分参考になるかもしれませんね。(勉強不足ですが、、)

もちろん、web訪問をキャッチしてメールを送ることは、相手に「監視されている・気持ち悪い!!」という感情を抱かせてしまうのではないか?など乗り越える障壁はあります。

ただし、このような障壁を乗り越えてでもタイミングのセグメント化をして、適切なタイミングで情報を届けるという努力はするべきではないでしょうか。

メールソフトも、メールの発信者も基本的にはユーザーにメールというシステムで、必要な情報を届けたいという思いは同じはずです。であれば、メールソフトに対峙するのではなく、同じ方向を向いて共に歩んでいきたいものです。

以上、Gmail限定のしかも有効化が必要な「新UI」から過剰な妄想をしたことをお伝えします。